ハンドピック
収穫されたコーヒー豆には、異物が混入しています。未熟なコーヒー豆、腐ったコーヒー豆や虫に食われたコーヒー豆。木片や石ころだって混入しています。その異物を機械や手で取り除きます。異物を手で取り除くことをコーヒー業界ではハンドピックと呼んでいます。
原産国で、ほとんどの異物が取り除かれますが、やはり完全ではありません。
コーヒー豆の生産は途上国に頼っておりますが、日本に輸入されるコーヒー豆は特に品質がよいものばかりです。
大変ありがたく贅沢なことですが、それでも石ころや腐った豆がかなりの割合で混入します。産地にもよりますが、かなり良質なコーヒー豆であっても5kgの豆から1粒程度の石ころがでることは珍しくありません。
もちろん、腐った豆や虫食い豆はもっとたくさん存在しています。
多くの自家焙煎店では鮮度を大切にしているため、コーヒーを粉ではなく豆の状態で店頭に並べますので、異物が混入していると一目瞭然です。異物が混入していると当然ながらお客様からお叱りを受けます。日本では食品に石などが混入することはあり得ないことです。
ですから、多くの自家焙煎店では異物を手で取り除きます。
当店でも、石ころの他、未熟豆や腐った豆、虫食い豆をできるだけ取り除いております。
確かに味は良いのですが、大切なコーヒー豆を廃棄することになってしまい、大変心が痛みます。
必要な量のみを焙煎し、煎りたてのコーヒーをお客様にご提供していくことは今後も変わることはありませんが、できるだけ必要以上にハンドピックをすることは止めていかなければならないと考えております。
人と同じように不必要なコーヒー豆などなく、本当はむやみに取り除いてはいけないのだと思います。優れたコーヒーもなければ、そうでないコーヒーもない。人が必要と不要を決めているだけ。
庭に生えた雑草も、野原に生えれば清々しい草花に見えます。本当は全て必要なのかもしれません。
投稿者プロフィール
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愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。
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