コーヒーは自然豊かな途上国からの贈り物
コーヒーの木の実の種を、200℃ほどまで煎ると茶色に色づきます。これをコーヒー豆と言っています。煎る前はコーヒー生豆と言われ、白い色をしています。
このコーヒー生豆は、そのほとんどが発展途上国で生産されています。コーヒーの木を育て、実を収穫し、種を取り出し乾燥させ、その多くは先進国に輸出されます。
私は、コーヒー専門店を始めるまで、そういったことを知りませんでした。
そして、今の仕事を始め、自分の扱っているコーヒーのほとんどが途上国で生産されていることで、随分戸惑いました。
今まで、日本の生活しか知らない自分が、世界の多くの人が食べる物や水を手に入れることに困っていること、預金やお金もないことを知りました。
そんな人たちが住む国からコーヒー生豆を買い、焙煎してコーヒー豆にし、またはそのコーヒー豆を使ってコーヒーを入れて、お客様にご提供する。
まさに先進国と途上国の狭間にいました。
そこで感じたものは、自分は途上国の人たちから搾取をしているのではないかという感情。途上国のコーヒー農園などで働く農民の多くは、自分たちのことをどう思っているんだろう。
罪悪感を感じずにはいられませんでした。
その後、仕事を通じて途上国のことを学び、ときには途上国に足を運んで、そこに住む人たちの暮らしぶりを見てきました。
そこで分かったことは、自分は今までお金や物ばかり焦点をあてていて、人の感情というものを考えていなかったこと。
同じ途上国でも、楽しく過ごしている子供もいれば、辛い顔をしている子供もいる。それは、大人も同じ。そして、僕たち日本でも同じ光景があることに気がつきました。
大切なのは、違った環境で過ごしている人たちが、それぞれの場所で幸せに生きていること。
途上国の人々の多くは、やはり日本のように同じようにお寿司を食べたり、外国に行ったりすることはなかなかできません。しかし、その場所で家族と幸せな時間を過ごし生きている。
もちろん、搾取は絶対にしてはいけないことだけど、コーヒーを生産している方が、販売したいと思う価格でコーヒー豆を売り、私たち消費者が買いたい価格で購入する。
そのバランスがうまく取れていることが大切だと感じました。
そして、私たちがコーヒーを美味しく飲んでいることを生産者の方に知っていただくこと。消費国の人が生産国で大切にコーヒーを栽培している人がいることを知っていただくこと。
むやみに農薬を使うこと無く、丁寧に生産者が一生懸命作ったコーヒーを、適正な価格で仕入れ、それを丁寧に焙煎し日本の皆様にきちんとお伝えして販売することは自分の役割だと思いました。
今では、自信をもってコーヒー豆を販売しています。
それから、コーヒー農園のある場所は自然豊かな場所が多いです。本当に地球は素晴らしい星だと思います。
自分は偶然にも日本に生まれましたが、コーヒーという商売を通じて、僕が感じたことを日本の皆様にお伝えしていけたらいいなと思っております。
投稿者プロフィール
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愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。
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