コーヒープレス

(2025.5.27リライト)
フレンチプレス、カフェプレス、ボナポット、プランジャーポット。コーヒープレスには、いろいろな呼び名があります。
2000年ぐらいまではメリオールと呼ばれることが多かった日本では、主に紅茶の抽出用に使われていました。しかし、本来はヨーロッパ(主にフランス)で使われていたコーヒー抽出器具。
メリオール(melior:ラテン語でbetterという意味)の開発者「Martin S.A.」は1991年にボダム社に買収され、ボダム社がフレンチプレスとして数多く販売されていることから、最近ではフレンチプレスと呼ばれることが多くなっているようです。
1933年、イタリアのカリマーニという人が発明したと言われていますが定かではありません。というのは、コーヒープレスは2000年ごろまで日本のコーヒーの書物にはほとんど記載がなく、有名な書物にも紅茶の抽出器具として紹介されていたぐらいでした。
いろいろな抽出の仕方があり、自分好みの淹れ方が一番なのですが、迷われる方もみえますので、当店の淹れ方(入れ方)をご紹介します。

まず、粉は中挽き。あまり挽き方が粗いと抽出不足になりますので中挽きをお勧めしています。
そして、1杯分は10g、150cc。90℃のお湯を準備します。
2杯分その倍の量、3杯分はその3倍の分量にします。また、濃いめ、薄めをご希望の方はご自分で調整してください。
準備するお湯は、一度沸騰させたものを冷まします。正確に90℃を測らなくても、沸騰後2~3分冷ませばOKです。
※沸騰したてのお湯で抽出すると苦味が強く出てしまいます。
必要に応じて、あらかじめコーヒープレスにお湯を注ぐなどして温めておいても良いと思います。
コーヒープレスに人数分の粉を入れ、一気にお湯を注ぎます。
最初少しだけ注いで蒸らしをする方も見えますが、試したところ必要ないと思います。ただし蒸らす場合とそうでない場合、味の違いは明らかにあります。蒸らすことで抽出されやすくなりますが、渋みも出やすくなりました。
攪拌せず、そのまま直ぐに蓋をしてプレスのフィルター部分を液体の表面まで下げ4分間待ちます。
豆の挽き加減で、時間を調節していただいても構いません。粗挽きであれば少し長め、あっさりとした味にしたければ短めにします。
時間になったら、プレスの取っ手(プランジャー)をゆっくり押し下げます。
押し下げる前に、上部をスプーンで数回撹拌し、上部に浮いた泡を取り除くとよりスッキリした味わいになります。
コーヒープレス(コーヒー用)は、一番下まで押し下げてもコーヒーの粉を圧縮してしまわないように設計されているはずですが、押し下げたときにコーヒーの粉を押しつぶさないようにしましょう。押しつぶしてしまうと、渋みが出やすくなります。
プレスの取っ手(プランジャー)を押し下げたあと、1~2分静かに放置しておくと、微粉が沈みスッキリした味わいになります。
出来上がったコーヒーは、コーヒープレスの中に放置しておくと味が変化する場合があるので、ゆっくり飲みたい場合はポットやサーバーに移し替えたほうがよいと思います。多くのコーヒープレスはステンレス部品が使われているので、ステンレスとコーヒーの成分が反応して味が変化します。
最後に、コーヒー粉の後始末。
コーヒープレスに水を注ぎ、攪拌しながら茶漉しで濾します。その粉をゴミ箱へポイッ。多少ゴミ箱の消臭効果も期待できます。また、その粉だけを集めて肥料にしたり、良く乾かした後、布で来るんで消臭剤にしても良いと思います。
投稿者プロフィール

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愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。
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