オーガニックコーヒーの取り扱いはありません
オーガニックは有機のことで、一般には有機農産物とその加工食品を意味し各国の法律などで厳格に定められています。
そもそも、物質には有機物と無機物があり、有機物は生命がつくりだす化学物質とされます。
しかし、現代は人間が有機物を作り出せるようになったため、炭素が化合物の中心となる物質の総称として理解されているようです。(ダイヤモンドなど生物に由来しない場合は炭素を含んでいても有機物ではない物質もあります。)
オーガニックというのは、もともと生命が作り出す化学物質なので、有機のみを使い食物を育てた場合にオーガニックや有機という名称を使用するようになったものと思われます。
世界各国にはOCIA(オーガニック農作物改良協会)など、300以上のオーガニック認定機関があります。
日本では、いわゆる有機JAS法により定義されています。有機JAS法では、種蒔きの2年以上前から農薬や化学合成肥料を原則として使用しないことや、遺伝子組換えの種を使わないことなどの基準を定めています。
また、無農薬というのは栽培期間中に農薬を使わず栽培されたものと理解されているのではないでしょうか。たとえば隣の農家から農薬が風に乗って飛んで来たり、土壌から侵入してきても無農薬と表現される場合があります。日本国内での法律による定義はなく、流通段階においても規則がありません。無農薬で育てたかの確認する機関もなく、違反した場合の罰則もありません。このため日本国内では、この名称を使用しないように指導されています。
ほかにも無化学肥料という表示も誤解を抱きやすいので禁止されています。
当店では、仕入元を含め、品質には十分安全と判断しているものを選定しておりますが、あえてオーガニック認証のコーヒーを選ぶことはしておりません。選定したとき、農園がオーガニック認証されていることはありますが、コンテナ輸送や国内配送や加工工程でオーガニック認証以外のコーヒー豆などと一緒に管理されています。
人間と同じように、健康ですくすくとコーヒーの木を育てるために必要な薬もあると考えています。
当店のコーヒー豆は、どこで、どんな人たちが、どのように作ったものかがある程度特定できるコーヒーを取り扱っており、毎日必要な量を計算し焙煎しています。
ある程度というのは、日本でも魚沼産コシヒカリのように、魚沼産ではあるけれど具体的に誰が栽培したか特定できない場合もありますので、ある程度といういう表現をさせていただきます。
このある程度誰が栽培したか特定できるコーヒーは、世界で流通しているコーヒー豆のうち、1~1.5割程度で年々増えているのではないかと思います。
その中から真面目に栽培され(安全で必要な農薬のみ使用)、真面目な業者が運んでくれて、美味しいコーヒーを選んでいます。
もちろん、輸入されるときは日本国内で残留農薬の検査や虫などの混入の検査がなされます。
参考までに、一般的に日本国内で販売されているコーヒーは、輸入業者の自主検査、厚生労働省管轄の検疫所による抜き打ち検査や命令検査などがなされており、残留農薬の検査の場合は126項目となります。(コーヒー生豆の場合、2022年10月現在)
もし国で決められた残留農薬が検出された場合は国内に持ち込むことはできません。さらにより多くのサンプルが検査されます。輸入業者名は公表され、場合によっては業務停止を受けることもあります。
食品衛生法が改正された平成15年ごろまでは、虫などが混入していた場合、燻蒸処理されましたが、現在は残留農薬検査基準をクリアできないため原則として燻蒸処理はなされていません。
また、当店を含め一般的に販売されているコーヒー豆は加工工程において、添加物や薬品などコーヒー以外の成分が加えらることはありません。(一部のフレーバーコーヒーやバターコーヒーを除く)
コーヒー独特の風味は、200度以上に加熱(焙煎)されることにより生み出されています。
参考:食品衛生法で定められたコーヒー生豆の残留農薬と基準値(2022年10月現在)
γ-BHC : 0.002ppm
DBEDC : 0.5ppm
2,2-DPA : 含有してはならない
アゾキシストロビン : 0.05ppm
アゾシクロチン及びシヘキサチン : 0.5ppm
アルジカルブ及びアルドキシカルブ : 0.1ppm
アルドキシカルブ(再掲/アルジカルブ及びアルドキシカルブ) : 0.1ppm
アルドリン及びディルドリン : 含有してはならない
イプロジオン : 0.05ppm
イマザキン : 0.05ppm
イマゼタピルアンモニウム塩 : 0.05ppm
イミダクロプリド : 0.7ppm
イミノクタジン : 含有してはならない
エテホン : 0.1ppm
エポキシコナゾール : 0.05ppm
エンドスルファン : 0.1ppm
エンドリン : N.D.ppm
オキサミル : 0.10ppm
オキシフルオルフェン : 0.05ppm
オリザリン : 0.1ppm
カルフェントラゾンエチル : 0.1ppm
カルベンダジム,チオファネート,チオファネートメチル及びベノミル : 0.1ppm
カルボフラン : 1ppm
グリホサート : 1ppm
グルホシネート : 0.1ppm
クロジナホッププロパルギル : 0.02ppm
クロチアニジン : 0.05ppm
クロマゾン : 0.02ppm
クロラントラニリプロール : 0.4ppm
クロルピリホス : 0.05ppm
4-クロルフェノキシ酢酸 : 0.02ppm
クロルフルアズロン : 含有してはならない
クロロタロニル : 0.2ppm
サフルフェナシル : 0.03ppm
酸化フェンブタスズ : 0.05ppm
ジアフェンチウロン : 0.02ppm
シアン化水素 : 1ppm
シアントラニリプロール : 0.05ppm
ジウロン : 0.02ppm
シクロキシジム : 0.05ppm
ジクロメジン : 0.02ppm
ジクロルボス及びナレド : 0.2ppm
ジクワット : 0.02ppm
ジスルホトン : 0.2ppm
ジチオカルバメート : 5ppm
ジフェノコナゾール : 0.01ppm
ジフェンゾコート : 0.05ppm
シフルトリン : 0.02ppm
ジフルフェンゾピル : 0.05ppm
ジフルベンズロン : 含有してはならない
シプロコナゾール : 0.1ppm
シヘキサチン(再掲/アゾシクロチン及びシヘキサチン) : 0.5ppm
シペルメトリン : 0.05ppm
ジメチピン : 0.04ppm
臭素 : 60ppm
スピロジクロフェン : 0.03ppm
スピロテトラマト : 0.2ppm
スルフェントラゾン : 0.05ppm
チアメトキサム : 0.2ppm
チオジカルブ及びメソミル : 1ppm
チオファネート(再掲/カルベンダジム,チオファネート,チオファネートメチル及びベノミル) : 0.1ppm
チオファネートメチル(再掲/カルベンダジム,チオファネート,チオファネートメチル及びベノミル) : 0.1ppm
ディルドリン(再掲/アルドリン及びディルドリン) : 含有してはならない
テブコナゾール : 0.2ppm
テブチウロン : 含有してはならない
テフルベンズロン : 0.5ppm
デメトン-S-メチル : 0.05ppm
デルタメトリン及びトラロメトリン : 含有してはならない
テルブホス : 0.05ppm
トラロメトリン(再掲/デルタメトリン及びトラロメトリン) : 含有してはならない
トリアジメノール : 0.1ppm
トリアジメホン : 0.05ppm
トリクロピル : 0.03ppm
トリシクラゾール : 含有してはならない
トリフルムロン : 0.02ppm
トリフロキシストロビン : 0.05ppm
ナプロパミド : 0.1ppm
ナレド(再掲/ジクロルボス及びナレド) : 0.2ppm
二臭化エチレン : N.D.ppm
ニテンピラム : 含有してはならない
ノニルフェノールスルホン酸銅 : 0.04ppm
パラコート : 0.05ppm
ビアラホス : 0.004ppm
ビオレスメトリン : 0.1ppm
ヒメキサゾール : 0.02ppm
ピラクロストロビン : 0.3ppm
ピラゾリネート : 0.02ppm
ピリプロキシフェン : 0.05ppm
ピレトリン : 0.05ppm
ピンドン : 0.001ppm
フィプロニル : 含有してはならない
フェノキシカルブ : 0.05ppm
フェノトリン : 含有してはならない
フェンチン : 0.1ppm
フェンピロキシメート : 0.07ppm
フェンプロパトリン : 0.03ppm
Sec-ブチルアミン : 含有してはならない
フッ化スルフリル : 1ppm
ブプロフェジン : 0.4ppm
フラザスルフロン : 含有してはならない
フルアジホップブチル : 0.01ppm
フルオメツロン : 0.02ppm
フルキサピロキサド : 0.2ppm
フルシトリネート : 0.05ppm
フルトリアホール : 0.2ppm
フルピラジフロン : 2ppm
プロクロラズ : 含有してはならない
ブロディファコウム : 0.001ppm
プロピコナゾール : 0.02ppm
プロフェノホス : 0.03ppm
プロベナゾール : 含有してはならない
ベノミル(再掲/カルベンダジム,チオファネート,チオファネートメチル及びベノミル) : 0.1ppm
ペルメトリン : 0.05ppm
ベンスリド : 含有してはならない
ベンゾビンジフルピル : 0.2ppm
ベンタゾン : 含有してはならない
ホキシム : 0.02ppm
ボスカリド : 0.05ppm
ホセチル : 0.5ppm
ホレート : 0.02ppm
マレイン酸ヒドラジド : 0.2ppm
メソミル(再掲/チオジカルブ及びメソミル) : 1ppm
メチダチオン : 1ppm
リニュロン : 0.02ppm
リン化水素 : 0.06ppm
ワルファリン : 0.001ppm
投稿者プロフィール
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愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。
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